・19世紀後半にイギリスやフランスを中心に起こった運動
・純粋な美しさに最も価値のあるという考え方に使用する
・美以外の要素は大切でないと考え、反道徳的・退廃的な作品へと繋がっていく
耽美主義(たんびしゅぎ)について
耽美主義は19世紀後半にイギリスやフランスを中心に起こった運動です。純粋な美しさこそが最も価値のあるものとする考え方で、道徳性や背景考察よりも視覚的な感覚を大切にしました。唯美主義(ゆいびしゅぎ)、審美主義(しんびしゅぎ)とも言われ、英語ではAESTHETICと記載します。
絵画だけでなく、文学の間でも流行しました。ワイルド・ボードレールが代表的です。
「耽」という用語は、「度をすごしてたのしむ。夢中になる。」を意味します。その意味からもわかるように、美以外の要素は大切でないと考えた、反道徳的な作品も多くあります。また、徐々に運動が過激化していくことによりデカダンス(フランス語で衰退・退廃的の意)の意味も含まれていきます。同性愛やサディズム、マゾヒズム、エロチシズムなども、含まれることあります。
耽美主義の流れは日本小説にもみいだすことができ、永井荷風・谷崎潤一郎・三島由紀夫がその代表とされています。またその逆に、耽美主義の代表者の一人であるJMホイッスラーは、日本の芸術・文化に大きな影響を受けたとされています。
代表的なアーティストについて
- JMホイッスラー:1943~,1942~
- アルバート・ムーア:1943~,1942~
- フレデリック・レイトン:1943~,1942~
- オーブリー・ヴィンセント・ビアズリー:1943~,1942~
フレデリック・レイトンは、「ラファエル前派」に影響を受けた一人です。「ラファエル前派」も耽美主義な画風でよく知られています。この解説は下記リンクも参考にしてみてください。
現代における「耽美」について
21世紀日本において「耽美」はまだまだ廃れてはおらず、アンダーグラウンドな世界やドール世界と相まって、ますます魅力が増しているように感じます。金子國義・山本タカトらを始めとして多くの画家が耽美な世界観を作り上げています。
山本タカトの画風は「平成耽美主義」とも言われます。浮世絵風の線を使用して、グロテスクな絵画を展開されています。
また、画集そのものを作品と位置づけられており、第六画集までを刊行されています。
是非、手にとってその世界観に触れてみてください。
もっと詳しく知りたい人へ
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あくまでもアートメモとして、簡単にまとめさせていただいております。厳密な意味での間違いはあるかもしれませんが、ご容赦いただければ幸いです。
興味をお持ちになった方は下記のリンクも参考にしてみてください!
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