・1980~1990年代を中心に現代美術として展開
・「おぞましい」と感じることを探求するアートを説明するために使用する
・強いフェミニストの意味合いを持つこともある
アブジェクトアートについて
アブジェクトアートは、1980年から1990年にかけて多くの現代美術アーティストによって制作されました。特に、体やその機能を表現することで、私たちの清潔感や通常の感覚を超えて、「おぞましい」と感じることを探求するアートを説明するために使用されます。
「アブジェクト」という用語は、「捨てられている状態」を意味します。「アブジェクト」は、ジュリア・クリステバが1980年の著書「パワーズ・オブ・ホラー」で開発した複雑な心理的、哲学的、言語学的概念です。
彼女は、フランスの作家、思想家、反体制派のシュールレアリスト、ジョルジュ・バタイユのアイデアに、部分的に影響を受けましたとされています。
特に、女性の身体機能については、男性主体の社会秩序によって「拒絶」されるという点で、アブジェクトは強いフェミニストの意味合いを持つことがあります。多くのアーティストがこの法則を取り入れ、作品に反映させています。
1993年、ニューヨークのホイットニー美術館は、「アブジェクトアート:アメリカ美術における反発と欲望」というタイトルの展覧会を上演しました。
西村清和は、「アブジェクトとは、汚物・腐敗物・塵芥・血や膿でまみれた傷口・汗・死体の分泌物・糞便といった“身をそむけさせる反感や吐き気をもたらす事物”に対して“生きるために絶えず身をもぎ離す振る舞い”であり、“自然から文化へ上昇する糸口”である」と上手く表現しています。
代表的なアーティストについて
- シンディ・シャーマン(Cindy Sherman):1953~
- ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois):1911~2010
- ヘレン・チャドウィック(Helen Chadwick):1910~1962
- ギルバート&ジョージ(Gilbert and George):1943~,1942~
- サラ・ルーカス(Sarah Lucas):1962~
活躍されたアーティストは、他にも大勢いらっしゃいますので、代表的なアーティストを記載しておきます。
これら作品のように、生理的おぞましさを感じるような作品も多くあります。どこか有機的かつ性的な印象を与える部分が、おぞましさに繋がっているのでしょうか。
左の作品は、’Piss Christ’という写真作品です。本作は、金色の背後にキリスト像が浮かび上がっている神秘的な作品です。
しかし、その撮影方法が、尿(Piss)にキリスト像を沈めて撮影を行うといったものであったため、大きな物議を醸しました。
ただ、こうした作品はその後も話題となることも多く、SupremeのTシャツとして販売されたりしています。
もっと詳しく知りたい人へ
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あくまでもアートメモとして、簡単にまとめさせていただいております。厳密な意味での間違いはあるかもしれませんが、ご容赦いただければ幸いです。
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