抽象表現主義ってなに?

Jackson Pollock, 1953 : ‘The Deep’
A-MEMO

・1940~1950年代にニューヨークを中心に展開

・大きく分けて二種類のグループがあり
 巨大なキャンバスに、絵と背景の区別がなく描かれる

・無意識性や自動性などから、作者の制作目的を重視することが多い

抽象表現主義について

抽象表現主義は、1940年代にニューヨークで展開された、第二次世界大戦後のアメリカ絵画の芸術運動です。
この運動は、国際的に影響を与え、以前はパリが担っていた芸術活動の中心を、ニューヨークへと移すこととなります。

Daily life: This street seen from October 3, 1942, is just one from a huge collection by Charles W. Cushman

「抽象表現主義」という用語は、1929年にアルフレッド・バー(Alfred Barr)によって、カンディンスキー(Wassily Kandinsky)に対して使用されました。その後、1946年には美術評論家のロバートコーツ(Robert Coates)によって、初めてアメリカの芸術に採用されました。

その名前からも想起させるように、絵画を抽象化させることで表現力を高め、感情的な側面を際立たせものでありました。また、一方で、芸術を作るという彼らの目的にも目を向けさせるものでもありました。芸術は無意識の心から生まれるべきであるというシュールレアリストの考えと、芸術家のジョアン・ミロの自動性がその背景にあるとされています。さらに、反抗的・非政治的・非常特異的、そしてニヒリスティックなイメージを与えるものも多くあります。

抽象表現主義はアメリカの文化と相まって一世風靡しますが、1960年ごろからはその影響力を失い始めます。
抽象表現主義は、絵画を次第に堅苦しく単調なものとしてしまい、徐々に絵画の硬直化を起こしていきました。更に、そこへネオダダやポップアートなど、廃物や大衆的なイメージなどを流用した、具象的な美術が現れて、抽象表現主義に対する反発が始まりました。

抽象表現主義の絵画特徴について

抽象表現主義の中には2つの大きなグループがあります。
「アクションペインティング」と呼ばれる、表現力豊かなブラシストロークでキャンバスを描いたグループ、そして「カラーフィールド」と呼ばれる、キャンバスを単色で広い領域の塗りつぶしを行うグループです。

Willem De Kooning, 1977 : ‘UNTITLED XXII’
Mark Rothko, 1956 : ‘Orange and Yellow’

アクションペインティング

アクションの画家たちは、大きなブラシを繰り返し使って描く、即興的な方法で絵画を描きました。
ジャクソンポロック(Jackson Pollock)は、伸ばされていない巨大な生のキャンバスを床に置いて、缶からペンキを注いだり、ブラシや棒から引きずったりしてその周りを踊ったりしました。このようにして、内面から湧き出す衝動をそのままキャンバスに表現しました

カラーフィールド

カラーフィールドの画家たちは、宗教と神話に深く興味を持っており、瞑想的な印象を生み出すことを目的とした、単色で広い領域を持つ単純な構成を作成しました。その色面には中心や焦点がなく、「地」と「図」の区別もなく、厚みもなく平面的です。どこをとっても均質で、画面を越えて色面がどこまでも続いているように見える、「オールオーバー」といわれる画面作りがされています。
こうしたアプローチは、1960年頃からカラーフィールドペインティングと呼ばれるものへと発展していきました。

代表的なアーティストについて

アクションペインティング

カラーフィールド

活躍されたアーティストは、他にも大勢いらっしゃいますので、代表的なアーティストを記載しておきます。

2019年には、ZOZO前社長の前澤さんが、ウィレム・デ・クーニング、クリスフォード・スティルの絵画を購入されたことも話題になりました。購入価格は2点で合計60億円とのことですね。

もっと詳しく知りたい人へ

本記事の内容はいかがだったでしょうか?
あくまでもアートメモとして、簡単にまとめさせていただいております。厳密な意味での間違いはあるかもしれませんが、ご容赦いただければ幸いです。

興味をお持ちになった方は下記のリンクも参考にしてみてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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